※掲載内容は2022年3月時点の情報です。
プロジェクトには大学1年生の時に参加しました。瀬戸内海の島で1ヶ月過ごせるなんて、旅行で行ったらめちゃくちゃお金かかるのに、こんな機会なかなかない!と思って申し込みました(笑)。
島に到着した初日、水平線に沈む夕日を滞在メンバー全員で1時間以上かけて眺めていたのは、印象深い思い出の一つです。誰一人として「早く帰ろう」とか「先に戻るね」と言わず、無言で眺め続けたなんて、すごくないですか?いま思えば、一人くらい飽きる人がいてもおかしくないのに。それだけきれいで神秘的な光景だったんですよね。これからの1ヶ月、このメンバーとこの場所で、どれだけ楽しいことが待っているのかとワクワクしたのを覚えています。
滞在した手島では毎年夏祭りがあり、私も参加しました。島の人たちとごはんを食べて、笑いながらお話しした後、一人のおばあちゃんが「こうやって、みんなと笑い合えるのが幸せだよ」と言ったんです。私は笑って返しましたが、残りの滞在日数を思い出して、少し泣きそうになりました。
もともと私は引っ込み思案で、人と話すのがとても苦手でした。ですが、大学でHOTサンダルプロジェクトに参加し、島で過ごすうちに、少しずつ人と話すのが怖くなくなっていったんです。島の方々はみなさん初対面なのに、孫や家族のように接してくださって、日を追うごとに人と話す機会が増えたからでしょうか。
そんな風に接してくれた人たちが暮らす場所が、過疎化などの問題を抱えていることを知ったのはだいぶ後のことです。社会問題ってよくテレビやニュースでは聞きますが、その時はじめて身近に感じましたね。すぐに解決はできなくても、少しでも解決に向けたお手伝いしたいと思ったのが、移住のきっかけです。恩返しのような気持ちもあったのかもしれません。
移住を決めたのは大学卒業間近で、実は東京で内定もいただいていたのですが、お断りさせていただきました。そして日帰りで丸亀に行き、新居を契約。不安や、ネガティブな気持ちはすべて「早く移住したい!」という前向きな気持ちで消え去っていました。
家族も知り合いもいない場所で、どんどん新しい出会いやご縁と巡り合えるのは、移住したからこそだと感じています。また、つらい時や落ち込んだ時など、歩いて海まですぐ行けるのも東京ではなかなかできないことですし、とても良い気分転換になっています。あらためて移住して良かったと感じています。移動手段として、車は必須ですね。それ以外は特に不便に感じることもありません。
2020年よりカルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)の社員として、未来の丸亀を担う人材を育てることを目的とした複合施設、丸亀市市民交流活動センター「マルタス 」で市民活動支援相談員をしています。主に「マルタス」の運営管理業務や、様々なコンテンツを活用した企画立案、市民活動団体の運営相談・サポートなど、日々市民のみなさんの「やってみたい」の一歩目を支援させていただいています。1年目は島に関する企画立案をおこない、HOTサンダルプロジェクトの作品展覧会を「マルタス」で開催することができました。2年目となる現在も、新たな企画を立案中です(笑)。
当面の目標は、丸亀のみなさんが「マルタス」を通して自分のやりがいや生きがいを見つけ、「やってみたい」を形にしてもらえるよう、頼りがいのある相談員になることです。少しずつですが、仕事に役立ちそうな資格取得も勉強しています。
また、将来的には芸術系の仕事をしたいと思っており、「マルタス」の企画で使う資料や広報デザインなど、積極的に制作させてもらうことで自分のポートフォリオを増やしています。他にも、趣味でYouTubeなどの動画配信コンテンツを見るのが好きなんですが、最近はWEB動画による情報発信が主流になってきているので、自分でも動画編集ができるように情報収集も兼ねて勉強中です。
考える前に、まず動いてみるのも良いと思います。思わぬ選択が、大きく人生を変え、そこで出会えたものがかけがえのない存在となり、自分の新しいやりがいや、生き方を見つけられるきっかけになるかもしれません。
時々とんでもなく大きい課題が立ちはだかることもありますが、なんとかなります!大丈夫!そしてそんな課題も、乗り越えようとするだけで、間違いなく自分を大きく成長させてくれます。
私にとって丸亀は、そういうことを教えてくれた場所です。不安なことは後で、一緒に考えましょう(笑)。
手島ではじめて夕日を見たときの写真です。少し霞がかった空で、とても印象的でした。
友人と一緒に、こんな写真も撮りました(笑)。島での思い出は、私にとって青春ですね。
毎日夕日を見た後は、みんなで一緒に宿舎に帰宅。良いお兄さん、お姉さんに囲まれてとても楽しい毎日でした(笑)。